成長株と配当株
成長株に関して投資初心者の頃の私はこのように思っていました。
成長株って配当もないのになぜ買われるんだ?
と。配当は分かりやすい株主メリットですよね。多少のリスクはあれど、持っているだけで毎年お金が入ってくるのですから。
対して成長株は株価の上昇によって利益を得ることを目的として買われますが、株価が上がる理由が当時の私にはわかりませんでした。
株について私はこのように考えていました。
株価は会社の利益や売り上げには関係ない、なぜならそれが株主に還元される保証はないから。
と。
日本企業に限っていえば、米国企業に比べて株主還元意識が弱く、内部留保が積み上がりがちで、経営は安定するが株価自体は横ばいになるという傾向があり、また社会インフラを担う企業などは企業の成長よりも安定した経営が求められる場合もあり、改めて振り返ると一理あります。
ですが、株式会社というのは株主からの資本提供を受けて事業を起こすものであるため原則として、株主のいうことを聞く義務があります。株主が全員会社を解体しろと言ったら会社は解体され、配当を上げろと言ったら配当は上がるものです。ですが、配当が増えればそれだけ会社の成長性が損なわれることになり、成長しなければ一株あたりの利益は上がらないので、株主はより多額の配当金を手にするチャンスを失うことになります。
ゆえに、成長株の株価が上がる理屈としては、現在配当はないけどその代わりに利益を増やし、将来的に会社が大きくなることで、一株に支払える配当も増えることを見込んで買っているのです(一株当たりの利益が増えるから株の値段が上がる)。
投資家たちは、なんか将来性あるな…とぼんやり投資したり、社会を良くするためにちょっと気取って投資してるわけではなかったのです。
あまり関係は無いですが、株主優待のカタログギフトにはほとんどの場合、慈善団体に寄付するという、ビル・ゲイツか気取った金持ちしか選ばないような選択肢があります。
時価総額は企業が実際に運用できるお金ではない
これに関しても私は誤解していました。企業が発行する株は確かに資金調達を目的としていますが、実際に運用できるものは新規発行株(IPO)と呼ばれるものや社債と呼ばれるもので、時価総額は投資家間でやり取りされる評価額にすぎません。これも考えてみれば至極当然で、発行した当初の金額分しか企業は恩恵を得ておらず、投資家たちがそれに勝手な値段をつけて売買しているだけなのですから。
議決権行使ができず株主還元も期待できない例外(本題)
創業者や役員が黄金株を独占していたり、資金に困っていない場合の想定です。さきほどの株主還元の論理が通用しないような会社に対してはどのように考えるべきでしょうか。
さきほどchstGPTに尋ねましたが、非常にわかりやすい答えでした。
投資する合理性がない、と。
そりゃそうです。大バカです。株主価値の最大化も還元も期待できない株に投資する人はいません。
ですが今後例外になり得る企業もあります。IPO時にDCSストラクチャーで上場する企業が米国のテック系で増加傾向にあり、またそのような企業の中で成功を収めたもっとも代表的な企業がAlphabet(Google)です。経営において株主を排除することでより効率的で成長性のある戦略をとることができるため、将来的な株主還元さえ保証されていれば、有望な投資先として検討できます。
ですが、現状ではそのような保証もないまま、企業の成長性のみを期待されて株価が上がっているのはなぜなのでしょうか。
自社株買いや株の需給によって株価が上がると、投資家はもちろん企業にとって多くのメリットがあるとされていますが、そのどれも私にとっては説得力の欠けるものでした。現実は、もっと単純な動機に支えられていると思われます。
革新的なイノベーションをもたらし、莫大な利益を稼ぎ、多大な社会貢献を果たす企業になると期待されており、時価総額はその象徴的な意味合いも兼ねている、と。
現状、自社株買いや配当の実施など、保証はなくとも経営姿勢に株主還元の意向が感じられることも市場で評価されているに違いありませんが、株主に対する還元は資本主義の原則として暗黙の了解のように理解されていますが、DCSでは一般株主が企業に使い捨てにされる危惧も無視できないと思うのです。
ですので結論としては、今のところ大丈夫そうだけどあんまりベットしすぎても危ないかも、という感じになりそうです。
アルファベットだけに?
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